曙橋 地酒おかだ、今は亡き、とあるおっさんとの思い出

曙橋 地酒おかだ、今は亡き、とあるおっさんとの思い出
2018年1月25日

今回は完全に自分の思い出クリップです。写真ですら自分で撮影したものじゃないものが多く含まれますが、何かどうしても何処かに残しておきたくて、こうしてココに投稿することにしました。

その昔、東京新宿の曙橋に「地酒おかだ」という店がありました。お世辞にも綺麗とは言えないその店は、古くフジテレビが河田町にあった頃は、芸能人や人気キャスターなどで賑わっていたそうです。ただ、時代の流れとともに店の名前も忘れられ、偏屈なオヤジがだけが残ったような、そんな店でした。初めてこの店を訪れた時は、もう二度来ることはないと思っていましたね、笑。

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何となく飲みはじめた

当時のワタシはまだタバコも吸ってましたし、まだ日本酒も飲めない、そんな頃合いでした。地酒の店に来ておいて日本酒が飲めないとはどういう了見だ!という店主に嫌悪感を覚え、とにかくビールを持って来いと悪態ついてましたっけ。そんな店主が浅草生まれと聞き、東京文化に興味を持っていたワタシは、何気なく行きつけに連れて行けと、酔った勢いでそんなことを言ってた気がします。酒の席での社交辞令、行こう行こうと盛り上がったその翌週末に、本当に店主と他店で昼間から酒を酌み交わす事になり、何となくそんなおっさんとの酒の遊びが始まったわけです。

店主、こんなおっさん。なんと名はオカダさんではない、笑。

こんなおっさんと隔週で飲んでたっけ、店外で。おっさんが昔から通っているという御徒町にある馴染みの寿司屋や焼肉屋に連れてってもらってはグダグダ言いながら飲んで、昼集合なのに家に帰るのは午前様だったり、なんて、本当に道楽だったなと。

地酒おかだは本当に日本酒の店

日本酒がとにかく好きだという店主。お前も飲めるようになれと、そんな風に言いながら金額関係なくいろいろ飲ませてくれたっけ。いや、よくよく考えれば結構な額を支払ってた気もするので、利益度外視ではなかったと思うけど。とにかく自分が飲みたいからと、割といい酒をストックしていたように思います。

初めて日本酒が美味いと思った「来福」。写真ブレブレですみません。。。店主の秘蔵酒はなんと、ひたち錦一割磨。そら美味いですよね。今では飲みたいと思ってもなかなか飲めるものじゃないというのは、自分もおっさんになったから分かること。そうそう、酒は寒い地方で作るもので、そんな寒い地方で作る酒の方が美味いと思っていたもんですから、茨城の酒と聞いて最初はどうかなとか思ってたんですよね。そんな来福、今でも好きで店に置いてあれば飲む機会も多いです。

ちなみに、他の酒なら外の升もなみなみになるまで注いでくれるこの店も、この一割磨の来福だけはこのくらいしかこぼしてくれませんでしたね、笑。

みんなでカメラ持って忘年会もやったっけ。あれはあれで楽しかったな。毎年忘年会はこの店でって、3年間くらいはやってたっけ。年を重ねながら酒も飲みながら、人生についてグダグダおっさんと話しながら時を刻みましたね。ただね、忘れるはずもないと思っていたそんな過去、思い出も、それからの時間の積み上げによってどんどん記憶が薄れていってるんだなって、今回改めて思って、こうして忘れないようにココに刻みつけてる。

もう本当に上手く撮れよ、自分、と言いたくなる。まぁこの当時は特におっさんのことが撮りたかったわけじゃないから仕方ないんだけどさ。でもね、こんなブレブレの写真でもあってよかった。こうしておっさんとの思い出を残しておけるから。

時は流れて

そんな曙橋にあった地酒おかだ、2011年に閉店しました。もう7年になるのか。時が経つのは早いもんです、本当に。閉店する少し前辺りから、なんだか咳が止まんねぇなぁなんていってたんだよな、おっさん。

それから一年ほどして、おっさんのケータイから他界しましたと奥さんの声で連絡が入った。ゴールデンウィーク終わったら飯でも食おうと、約束してから2ヵ月後くらいの出来事だったな。その電話だけは今でも鮮明に覚えてる。

また、おっさんの事を思い出したくなったら、この記事を見直しながら、またくだらない写真をアップするかもな、なんて。

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